L  Lについて考えてみました。

 Lについては実はあまり考えていないというか……掴みどころがないというか。
 飄々として見えて、負けず嫌い発言とそれを証明する行動を取ったり、椅子から落ちるくらいに驚いたり、漸く行動パターンを把握しつつはありますが、それを説明するのはとても難しいのです。
 何といいますか、思考回路はブラックボックスで、ただそこから出てくる先の予測が付くといったところでしょうか。

 負けず嫌いですが、月程頭に血が昇るといった事はないようです。
 職業柄当然かもしれません。
 逆にそんなタイプでは一介の探偵業は出来ても、世界的な信用を勝ち取り、且つ闇の中に潜むような真似が出来るとは思えません。

 月VSLでは、これまでのところ月が有利に事を進めているように見えますが、それは鍵となるデスノートの存在が、およそ人間界にはありえないものであり、その存在を知っているか否かの差にあるように思います。
 Lもデスノートの存在を知る事となった今、その差は縮まりつつありますが、知識量やそのデスノート自体に仕掛けを用意する事の出来る月の方が、当分有利である事は変わらないでしょう。

 お決まりの想像として、もしも、デスノートが月ではなくLの前に現れていたら、
 彼は月よりももっと現実的な気がするので、書いてある内容の途方の無さに、本物かもしれないという誘惑に駆られなかった可能性が高いような気がします。
 落ちていたノートを拾う可能性はあっても、そのまま興味を失って放置するかもしれません。
 しかし、その放置した事によって、ただのノートとして利用する可能性は大いにあると思います。

 何故か、Lが整理整頓がきちんと出来るタイプに思えないのです。
 恐らく私物が異様に少ないと思われますので、きっと部屋は散らかりようがなくとても綺麗です。もしも、拠点を幾つか持っていたとしても、くつろげる場所というよりは、機能的を目指すのではないでしょうか。ですが、彼が自分の為の空間を持っていたとしたら、雑然としている気がします。そんなイメージが、あの全く気を遣わない服装からくるのかもしれません。
 無論、あの服装や行動が、滅多にないと思われますが、自身が動く時のカムフラージュになったり、相手の油断を誘う武器となる事を計算に入れている可能性もありますが、結果的にそうなる事は知っていても、地であるような気がしてならないのです。

 話が逸れました。放置していたデスノートをノートとして使用した場合、LはノートのHOW TOを読んでいるでしょうから、まさかとは思いますが、すぐにノートと事象との関係に気付くでしょう。
 とはいえ、初回は偶然かと思うのが当然で、本物かどうかの検証をする為に、2回目を試す事となります。

 そこで、気に掛かるのが、Lと月とでは、Lの方が遥かに犯罪者を法の手によって裁くという考えが根底にあるのに、Lの方が遥かにその為の手段を選ばないという点です。
 ここが、彼の言う『負けず嫌い』の表れなのかもしれないとも思います。
 彼の勝利があくまで、犯罪者を自分の手で法定の場に引き摺り出し、有罪の判決を受けさせる事にあるのであれば、彼は犯罪者を裁くに当たって決してデスノートは使いません。それは、彼にとって敗北に当たるからです。
 ですが、何らかのきっかけで、例えば法廷の場に引き摺り出す手間を省いても良いという考えに至れば、Lもまた『キラ』となり得ます。
 但し、彼がデスノートを使用する場合は、彼の推理が正しい事が証明された後の事だと思われます。

 Lがキラとなった場合、月のように大胆に犯罪抑止力として使用しようとは考えない気がします。
 それも、もう少しLについて性格を把握してからでないと(今出来ていない以上、今後も出来る見込みがないようにも思えますが)自分の考えとして言い切れないのですが、己の手掛けた事件を解決するに当たって手段を選ばないLの正義感は、果たしてどれ程のものかと思うのです。
 Lは、月程正義感に満ち満ちてはいない気がします。
 月は大胆な言い方をすれば、善と悪に対して0か100かのような過激な発想があるように思えるのです。
 Lはその中間がある事を知っているし、許す事が出来ると思います。言い換えれば現実的です。
 彼が80を悪と考えれば、80以上が憎むべき存在であって、またその80以上の者が適正に法によって裁かれるのであれば、彼にとっては関心のない事となります。
 彼にとって興味があるのは、自己の知的欲求を満たすレベルの犯罪者だけになるのではないでしょうか。



 月と違ってこちらを書きながらの初めての考察なので、後々赤面しそう且つ手直しが入りそうですが、まあ、今現在はこんな感じというところで。
 思い切りご都合ですので、月の考察と同じく真に受けてはダメですよ!!
 ですが、ウチは当面はこの方向で参ります(笑)。


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